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AdAttributionKitとSKAdNetworkを比較:知っておきたい重要ポイント

日本時間の6月11日に開催された世界開発者会議(WWDC24)でApple社は、SKAdNetwork(SKAN)5に代わりアップデートされたAdAttributionKitを発表しました。今年3月にiOS 17.4と登場したAdAttributionKitは、サードパーティのアプリストア向けのSKANでした。デジタル市場法の施行を受けて、AppleはEUでこれを許可するよう法的に義務付けられていました。AdAttributionKitは、App Storeとその他のストアの両方で利用でき、Appleのプライバシー基準を守るためのフレームワークとして位置付けられています。ベストプラクティスと導入方法の詳細は、6月11日に公開されたセッション動画「Meet AdAttributionKit」をご覧ください。

前回のAdjustブログ「WWDC24:AdAttributionKit、Apple Intelligence、プライバシーの新しい基準を発表」では、AdAttributionKitの基本を解説しました。今回は、当ブログ公開時までに入手した情報をもとに、AdAttributionKitに関する重要点と注意したいポイントを紹介します。

それでは、AdAttributionKitとSKANの違いと新機能、再エンゲージメントとディープリンクに関する発表内容、そしてAdjustがこれらの変更点をどのようにサポートしているかを見ていきましょう。

AdAttributionKitとSKAdNetworkの違いとその仕組み

現時点では、AdAttributionKitとSKAN 4との間に機能的な違いはほとんどありません。AdAttributionKitでも3つのポストバック が提供され、3つの計測期間、細かい/ 粗いconversion valueクラウドの匿名性lockWindow、ランダムな遅延など、SKAN 4のさまざまな要素を含んでいます。Apple社もAdAttributionKitは「SKAdNetworkの機能を基盤」としていると述べています。

文言の相違点(SKAN 4の「アプリID」とAttributionKitの「広告アイテムID」など)と併せて、以下の点にご留意ください。

  1. 他のアプリストアに対応: AdAttributionKitは当初、他のアプリストア向けにリリースされましたが、現在はApp Storeにも拡張されています。現段階では、いずれかのストア、または両タイプのストアを併用して使用できます。相互運用性(2つのAPIがどのように相互作用するか)については、Appleの発表をご覧ください。
  2. カスタムクリエイティブのサポート: クリエイティブタイプを差別化する新機能が追加され、次の3種類の広告フォーマットがサポートされます:カスタムクリック広告、ビュースルー広告(動画を含む)、バナー + フルスクリーンのリストスタイルのオーバーレイ (SKOverlayおよびSKStoreProductViewController)。
  3. テスト: SKANの複雑さとその性質により、これまでテストを実施することは困難でした。AdAttributionKitには、「開発者モード」と呼ばれる新機能があります。「テストの容易性の向上」を目的としており、このモードを使用することでランダムな時間設定がシステムから除外され、コンバージョン期間が短縮されます。つまり、conversion valueのアップデート後に、「テストに適したタイムフレーム」で3つのコンバージョン期間すべてにテストを実施することができ、またポストバックの送信速度が向上します。
  4. 再エンゲージメント: AdAttributionKitで再エンゲージメントの計測が可能になりました。以下に詳しく説明します。
  5. ディープリンク: 再エンゲージメント機能に直接関連するユニバーサルリンクは、広告対象のアプリを既にインストールしているユーザーをアプリ内の特定の画面にリダイレクトするために活用されます。

AdAttributionKitとSKANがほぼ同じように機能することを考えると、マーケターが現在のワークフローを変更する必要はなく、iOSキャンペーンのアトリビューション計測を妨げたりすることもないと推測されます。つまりAdAttributionKitは、SKANに新しい機能を追加したものだと考えることもできます。

AdAttributionKitでの再エンゲージメントとディープリンク

再エンゲージメントは、SKAN 5のプレビューとしてWWDC23の基調講演で発表されたもので、最も注目された機能でした。SKAN 5の可能性がなくなった今、AdAttributionKitが再びこれを取り上げたのは朗報だったと言えます。

「Meet AdAttributionKit」セッションで説明しているように、アドネットワークは、インプレッションのJSONで 'eligible-for-reengagement' を 'true' に設定することで、アプリが既にインストールされている場合、広告を再エンゲージメントの対象とすることができます。

広告の対象となるアプリを既にインストールしているユーザーが、再エンゲージメント向けの広告をクリックすると、ユニバーサルリンクを使用してアプリが開き、そのリンクで定義されたアプリ内の場所にユーザーが誘導されます。アプリがインストールされていない場合、関連するアプリストアのページに遷移し、ユーザーにダウンロードを促します。

再エンゲージメントのポストバックにはconversionType keyが付与され、're-engagement'がアウトライン化されます。ビュースルー再エンゲージメントはAdAttributionKitでサポートされていないため、クリック広告のインタラクションタイプのデータのみが含まれます。その他に、 conversion valueを更新する最初のコールはイベント発生後48時間以内に行われる必要があることや、再エンゲージメントによるconversion valueは、インストールポストバックとは別に更新できることなどが重要ポイントです。

AdAttributionKitおよびiOS計測の将来:Adjustのサポート体制

Adjustでは、いずれのフレームワークにも対応するconversion valueを簡単に作成できる次世代ツールを提供しています。受信した匿名化データを集計分析し、iOSでの施策に関する迅速なインサイトを引き出し、戦略的でスケールするキャンペーンを実現するものです。

SKANとAdAttributionKitの相互運用性によって、Adjustのソリューションは両フレームワークをサポートすることが可能です。「SKANやAdAttributionKitなどのプライバシー重視のフレームワークの要件を満たす」ため、Adjustは今後もAppleと緊密に連携し、あらゆる変更に対応できるよう連携し、お客様をサポートいたします。

AdAttributionKitの仕組みや今後の展望とSKANについては、Adjustの担当者までお問い合わせいただくか、ブログの最新アップデートをご覧ください。

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