ブログ CTVでのOTTキャンペーンでアプリ市場をリードする方法

CTVでのOTTキャンペーンでアプリ市場をリードする方法

動画配信サービスが普及により、米国では約10年前からケーブルテレビの契約世帯数が減少し、現在、多くの消費者はストリーミングによって動画コンテンツを視聴しています。また、Netflix CEOのリード・ヘイスティングス氏は、「今後5年から10年の間にケーブルテレビは『絶滅』するだろう」と言及しています。

その中で、モバイル広告業界は変化する消費者行動に適応して進化を続けており、昨今ではコネクテッドTV(CTV)オーバーザトップ(OTT)広告(ストリーミングTV広告)を配信するなど、「サブスクリプションビデオオンデマンド(SVOD:定額制動画配信サービス)」が視聴者へとリーチするための効果的なプラットフォームとして台頭しています。

OTT・CTV広告とは

CTV(コネクテッドTV)とOTT(オーバーザトップ)は同義語として使われることがありますが、 この2つには明確な違いがあります。仕組みとしては、「OTTプラットフォーム」は、インターネットに接続されたデバイスを通してコンテンツをストリーミング配信するサービスで、ユーザーは、インターネットに接続されたスマートフォンやタブレット、CTVデバイス(スマートテレビ、ゲーム機やTVスティックを介してインターネットに接続されたテレビ、など)によって「OTTプラットフォーム」にアクセスします。

CTVにおけるOTT広告とは、特に動画配信サービスのアプリにて視聴者に配信される広告のことを指します。CTVデバイスにおけるSVOD(定額制動画配信サービス)のプラットフォームには、Netflix、Apple TV、Amazon Prime、Hulu、YouTubeなどがあります。OTTプラットフォームである音楽ストリーミングサービスは、Spotify、YouTube Music、Pandoraなどです。

米国では従来のテレビ放送を見なくなった視聴者は、2022年には6,430万世帯にまで減少した(英語)とも言われており、広告主はOTT広告を活用することで、地上波テレビを視聴せず、他のチャンネルでもリーチが難しいユーザー層に対してアプローチすることができます。

OTT広告のメリット

OTT(オーバーザトップ)広告の主な利点は、「OTTターゲティング」です。CTV(コネクテッドTV)の消費者に関するデータやインサイトを活用することで、広告主はターゲットとする視聴者(オーディエンス)から共感が得られる、より関連性の高いパーソナライズされた広告を制作することが可能となり、OTTプラットフォームが提供する高度なオーディエンスターゲティング機能によって、ブランドは広告を配信するターゲット層をより自由にコントロールすることができるからです。

OTTターゲティングでは「ターゲット層」、「位置情報」、「視聴履歴」などのさまざまな要素を活用することができるため、広告主はメッセージを適切なユーザーに対して的確なタイミングで届けられ、潜在的な投資利益率(ROI)を最大限に高めることができます。

また、広告はインターネットに接続されたデバイスを通して配信されるため、広告主はインプレッションやQRコードのクリックなどのOTT指標によってCTVのパフォーマンスを計測することが可能で、地上波テレビよりも正確にキャンペーンの効果を把握することができます。つまり、データ分析によってCTVをブランドチャネルから、マーケティングの取り組みにおいて武器となるパフォーマンスチャネルに変えることができる、ということです。

CTV広告によって得られる重要なメリットの1つは、最終的なコンバージョンがCTVデバイスに表示された広告によらなかったとしても、ユーザーに対して印象に残すことによって他のチャネルで実施したキャンペーンの成果を向上できる可能性があることから、キャンペーンを効果的に補強するチャネルになり得ることです。例えば、「Facebookでのキャンペーン期間中にCTV・OTTキャンペーンも実施すると、コンバージョンが20%増加」などの可能性も考えられます。

さらに、CTV広告では、広告主は双方向性である広告フォーマット(英語)を利用することができます。CTV広告には、広告クリエイティブ(広告として制作されたコンテンツ)に載せたQRコードやショッピングができる静止画広告など、さまざまなフォーマットがあります。双方向性であるインタラクティブな広告フォーマットは閲覧者が楽しめる体験を提供することができるため、コンバージョン率の促進に繋がります。

CTVでOTTキャンペーンを成功させる方法

上記のメリットからOTT広告の人気が高まる一方、CTVでOTTキャンペーンを成功させることは容易ではありません。次は、キャンペーンを成功に導くための方法をご紹介します。

  1. ユーザー層を特定する
    効果的なCTVキャンペーンを行うには、ユーザー層の定義とセグメンテーションが鍵となります。これには、「ユーザー層の興味」、「ターゲット層」、「ストリーミングの習慣」などを理解することも含まれます。キャンペーンを実施して消費者動向などの貴重なデータを収集して分析し、得られたインサイトを活用することで、ターゲット層をさらに細かく把握することができるため、メッセージに調整を加えるなど、キャンペーンを重ねるごとに徐々に広告を高度にパーソナライズすることができるようになります。
  2. 明確で簡潔なメッセージを作成する
    視聴者が理解しづらい専門用語や複雑な言葉を避け、メッセージはシンプルかつ分かりやすいものにします。見やすいデザインやグラフィックを使って、ユーザーを惹きつけるメッセージに仕上げましょう。
  3. コンテクスチュアル広告を使用する
    コンテンツに添った広告配置(英語)を行い、広告がユーザー体験を妨げないようにします。コンテクスチュアル広告(コンテンツに合う広告を配信する手法)を活用することにより、ユーザー体験の向上にも繋がるでしょう。
  4. 適切な広告フォーマットを選択する
    CTVでは、動画本編の再生前に流れる「プリロール(プレロール)広告」、動画本編を中断して流れる「ミッドロール広告」、動画本編の再生後に流れる「ポストロール広告」の動画広告フォーマットを選択することができます。各フォーマットに長所と短所があるため、キャンペーンの目標に最適なフォーマットを選びましょう。
  5. 広告がCTV用に適切にフォーマットされていることを確認する
    CTV広告は、テレビ画面のサイズに合うようにフォーマットすると同時に、CTVプラットフォームと互換性を持たせなくてはいけません。広告がスムーズに再生されるように、CTV広告の要件を満たしていることを確認しましょう。
  6. CTVキャンペーンのパフォーマンスを計測する
    CTVキャンペーンでは、パフォーマンスを計測して効果を確認することが重要です。インプレッション、「CTV間」や「CTVとモバイル間」のCTR(クリック率)、エンゲージメント率などの指標によってキャンペーンのパフォーマンスを評価することで、効果を向上させるために必要な調整を行うことができます。

近年の経済状況からも「新たなチャネル」の開拓は欠かせず、ストリーミングで動画コンテンツを楽しむ人々が増加する中、広告主がターゲットとするユーザー層にリーチするための手段としてCTV・OTT広告の重要性が高まっています。効果が高く、不可欠な広告戦略の要素となったOTTとCTVを最大限に活用することで、あらゆる場所にいる消費者の心に新たな形でリーチすることができるのです。

より詳しい情報は「【2023年版】CTVガイド:アプリマーケターのためのインサイト」をご覧ください。

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