ガイド

CTV広告のアプリマーケティング完全ガイド

はじめに

テレビを取り巻く環境は、この15年の間に劇的に変化しました。今では決まった時間の番組に縛られず、無数にあるデジタル番組からオンデマンドで観たいもの選んで視聴することができます。モバイル広告の広告主が求めるユーザーの多くも、インターネットに接続されたテレビや携帯電話で動画配信サービスを介してコンテンツを視聴しています。

この環境の変化から、高度で洗練されたパフォーマンスチャネルである「コネクテッドTV(CTV)」のエコシステムを理解して、アプリマーケティングに活用することが不可欠です。しかし、「CTV」とは具体的にどういうものなのでしょうか?

このガイドでは、CTVの仕組みから、CTVが急成長を遂げている要因、グロースマーケティングにおいてCTVを活用してアプリを成長させる方法を解説します。CTVをマーケティングを成功させるチャンスに変えましょう。

パート1:CTVの解説

コネクテッドTV(Connected TV、CTV)

「コネクテッドTV(CTV)」は、スマートテレビやテレビスティック、ゲーム機、セットトップボックスなど、インターネットに接続されたテレビやコンソールのことを指します。CTVは、「オーバーザトップ(OTT)」と呼ばれるコンテンツ配信方式を用いてダウンロードされたアプリを介して動画をストリーミングします。「OTT」は「動画コンテンツが別のプラットフォームの『over the top(上を通り越して)』で配信される」というプロセスに由来しています。

CTV広告とは

動画のストリーミング中にインターネット経由で視聴者に配信される動画広告のことを指します。例えば、CTVデバイス(動画・音楽のストリーミングやWebサイトの閲覧が可能なインターネットに接続されたデバイス)で、「YouTube」や「Netflix」を視聴中に表示される広告です。

OTTとCTVの違い

「OTT(オーバーザトップ)」はインターネット上でコンテンツを配信する方法です。一方、「CTV(コネクテッドTV)」はユーザーがコンテンツの閲覧や視聴をするために使用するインターネットに接続できる機器(デバイス)を指します。例えば、主要なOTTプラットフォーム「Netflix」は、インターネットプロバイダーを介して、コネクテッドTVデバイスであるスマートテレビ上の「Netflixアプリ」にコンテンツを配信します。

OTTストリーミングサービス

CTVと地上波テレビの違い

従来のテレビである「地上波テレビ」は衛星放送とケーブルテレビで構成され、衛星やケーブルを介してコンテンツを配信するため、OTT経由であるCTVとは大きく異なります。

また、地上波テレビのコンテンツ(番組)は、あらかじめ決められたスケジュールと順序で視聴者に配信されます。これに対して、CTVでは、プラットフォーム上にある番組をいつでも好きなときに選び、動画をストリーミングして視聴することができます。

パート2:CTVの成長

CTV市場の拡大

近年、従来のケーブルテレビではなくCTVデバイスで動画コンテンツを視聴する人々が増加し、CTVは急速に進化しています。2022年には、米国で動画配信サービスの視聴者数が初めてケーブルテレビを追い抜き、今後もケーブルテレビの視聴者数を超え続けるだろう(英語)と予測されています。また、2024年には、CTVを利用する世帯と従来の有料テレビの契約世帯の比率は2対1になるだろう(英語)とも言われています。

下のグラフが示すように、米国のテレビ視聴者は、一日のうちの37.7%の時間を動画配信サービスにてコンテンツを視聴するのに費やしています。一方、ケーブルテレビは30.6%、地上波テレビは20.8%という結果でした。

CTVの利用時間

広告主にとっての非常に大きな成長の機会を示している、CTVに関する10件の統計データをご紹介します。

  1. 世界では11億台以上のCTVデバイスが利用されています。(引用ページ(英語))
  2. インターネットを利用する世帯の98%は、オープンプログラマティックCTV広告を介してリーチすることができます。(引用ページ(英語))
  3. 英国の人口の3分の2が、CTVデバイスでデジタル動画を視聴しています。(引用ページ(英語))
  4. 米国では69%を超える人口がCTVを利用しています。(引用ページ(英語))
  5. ブラジルとメキシコにおけるCTVの普及率は、それぞれ94%と93%に急上昇しています。(引用ページ(英語))
  6. 2024年までに、世界のCTV広告の市場規模は296億ドルに達すると予測されています。(引用ページ(英語))
  7. APACでは2023年第1四半期のCTV広告費用が、前年同期比で15%増加しました。(引用ページ(英語))
  8. CTV広告では広告時間の71%が視聴され、地上波テレビよりも17%長い結果となりました。(引用ページ(英語))
  9. 視聴者の86%はCTVで表示される広告が自分に関連するものであれば積極的に視聴することが分かっています。(引用ページ(英語))
  10. CTVは他のマーケティングチャネルよりも30%高いROI(投資利益率)を生み出しています。(引用ページ(英語))

CTVが急成長している理由

「Netflix」がストリーミングサービスを開始したのは2007年で、動画のストリーミングは実はかなり以前より存在していました。ここ数年、コロナ禍の影響を受けてより多くの視聴者が動画をストリーミングするようになったため、CTVデバイスでのストリーミングは爆発的な成長を遂げ、CTVの市場シェアを一気に拡大しました。一方、ポストコロナ時代の現在でも視聴者数は増え続けており、以下のポイントがその理由として挙げられています。

1. CTVデバイスが新常識に

従来のテレビから、スマートテレビや「Apple TV」、「Roku」、「Amazon Fire TV」などの主要なメディアストリーミング端末に切り替えるユーザーが増えています。例えば、世界のスマートテレビの市場規模は、2022年は1,978億2,000万ドルでしたが、2023年から2030年にかけて年平均成長率11.4%で上昇していき、4,512億6,000万ドルに達するとだろうと予測されています(英語)。

2. 「コードカッター」と「コードネバー」の台頭

1点目と関連して、ケーブルテレビを解約した「コードカッター」と呼ばれる人々と、ケーブルテレビや衛星テレビを契約したことがない若年層を指す「コードネバー」が、今年、ケーブルテレビを契約している人口を上回るだろう(英語)と見られており、インターネットユーザーのほぼ半数が地上波テレビを視聴していない(英語)とも言われています。主な要因は「ストリーミングプロバイダー(動画配信サービス)」の存在です。ユーザーはケーブルテレビよりも動画配信サービスを選ぶ傾向が強まっているため、ストリーミングプロバイダーはケーブルテレビにとって最も手強い競争相手なのです。

3. コンテンツ視聴における柔軟性

テレビ番組の放送スケジュールに関わりなく、自由な時間帯にOTTのライブラリから番組(コンテンツ)を選択し、視聴することができます。ユーザーが好きな時間に観たい番組を視聴できることが、ストリーミングサービスが人気の理由の一つです。

4. 「広告付きプラン」の登場

「広告付きプラン」というサブスクリプション型サービスが登場し、CTV市場において比較的新しいながらも人気が高まっています。つまり、一般的なイメージとは逆に、ユーザーは動画視聴中に表示される広告を不快に感じているというわけではありません。

「Netflix」、「Disney+」、「HBO Max」、「Hulu」、「Paramount+」などの動画配信サービスは、できるだけ安価に動画を視聴したがっているユーザーを取り込むために「広告付きプラン」の提供を開始しました。ストリーミングサービスをさらに成功させるために各社が収益源を多様化しており、Appleも「Apple TV+」で広告を配信するDSPを開発中で、近日リリースする予定(英語)と言われています。

また、「Netflix」は「広告付きプラン」の提供を開始してから5ヶ月で、新規加入者の25%以上が「広告付きプラン」を選択して500万人以上のユーザーを獲得したことを発表しました(英語)

欧米だけでなく、「Rakuten TV」など、日本や韓国の動画配信サービスも以前より広告付きのストリーミングを提供しています。事実、日本の視聴者の71%が広告付きストリーミングサービスを視聴している(英語)と言われており、多くの人々が「広告付きプラン」を選択していることが分かります。

動画収益化モデル「AVOD」「SVOD」「FAST」

  1. AVOD(Advertising Video On Demand):AVOD(広告付き動画配信)」は、広告付きの動画コンテンツを視聴することで、ユーザーは通常のサブスクリプションサービスよりも低い料金を支払う定額制のストリーミングモデルです。
    【例】Netflix「広告つきスタンダードプラン」
  2. SVOD(Subscription Video On Demand):SVOD(定額制動画配信サービス)」は、ユーザーが一定の料金を支払うことで広告のないコンテンツにアクセスできる定期購読(サブスクリプション型)のストリーミングモデルです。視聴者は広告なしで動画を途切れることなくストリーミングすることができるため、「AVOD」よりも料金は高くなります。
    【例】Netflix「スタンダードプラン」
  3. FAST(Free Ad-supported Streaming TV):FAST(無料広告型ストリーミングテレビ)」では、視聴者は地上波テレビの番組やオンデマンド配信のコンテンツを無料でストリーミングして視聴することができ、コンテンツ全体を通して広告が配信されます。
    【例】Roku Channel「FASTサービス」

5. CTVに注目する広告主

より多くのユーザーが広告付きストリーミングコンテンツを利用するようになり、広告主はCTVが持つ可能性に着目しています。IABは、広告主は従来のテレビ広告へのコストを削減していることから、2023年は地上波テレビへのコストは6.3%減少するだろう(英語)と予測しており、対照的に、CTV広告は14.4%の成長が見込まれています。パート3では、広告主がCTV広告の成長を促進している理由を掘り下げます。

パート3:CTVを活用するべき理由

CTV広告がアプリマーケティングにもたらすメリット

多くのマーケターはCTVにマーケティングコストを投じることは非常に効果的であると(英語)と考えており、CTVをパフォーマンスチャネルとして注目する広告主が増えています。ここから、アプリマーケティングにおけるCTV広告のメリットをいくつかご紹介します。

ハイスベルト・ポルス(Gijsbert Pols)

Adjust コネクテッドTV部門・新規チャネル部門ディレクター

広告の質、エンゲージメント、想起率の向上

ある調査(英語)によると、CTVにおける視聴者の「広告許容度(広告受容度)」は、モバイル端末を視聴する際よりはるかに高いことが分かっています。なぜでしょうか?まずは、人々が広告を視聴するところを想像してみましょう。CTV広告が表示される際、通常音声はオンの状態です。またスマートフォンの画面よりも大きな画面で再生されます。加えて、多くのCTV広告はスキップすることができません。これらの要素が全体的な広告の質と視聴者のエンゲージメントを上げ、結果として広告想起の向上に貢献していることが明らかになっています。また、次の図は、視聴者の46%がCTV広告を想起しているのに対し、ソーシャルメディア広告の想起率は33%、モバイルゲーム広告は12%、Webサイト広告は9%であることを示しています(英語)

さらに、CTVで広告を掲載する企業は、視聴者にとって関連性が高い内容が多く、革新的であるとも認識されるため、ブランドイメージが向上します(英語)

CTV広告の優れた想起率

広告許容度の向上

多くの人は一日の中でさまざまなことをしながら、スマートフォンを使用しています。CTVの場合、視聴者は大きな画面でコンテンツを楽しんでいること意味しているため、ユーザーはスマートフォンの小さい画面でコンテンツを視聴している時よりリラックスしており、広告に対する受容度(許容度)が上がる傾向があります。事実、ある調査(英語)からも、モバイル端末にてゲームをプレイしたりショート動画を観たり、ポッドキャストを聴く時よりも、人々はCTVデバイスにてテレビドラマやスポーツ、ニュースを視聴する際の方が、はるかに高い広告許容度を見せることが分かっています。そのため、企業のアプリに関する広告も、CTVで展開をすると多くの反応が得られる可能性があります。

正確な計測とターゲティング

地上波テレビが広告を一般の視聴者層に配信するのに対して、CTVは、より正確なターゲティング機能を広告主に提供します。

CTVがターゲットとすることができるのは、以下のとおりです。

  • 過去に商品を購入したことがある視聴者
  • コンテクスチュアル広告(コンテキスト広告、コンテクスチュアルターゲティング)
  • 特定のページにアクセスした視聴者
  • 類似するユーザー層
  • 特定の意図や関心を持つ視聴者。特定の位置情報やターゲット層にいる視聴者

CTVが提供するこれらのターゲティング方法に加え、広告主はファーストデータ(ユーザーがオプトインした場合)やサードパーティデータをユーザーのターゲティングに活用すると、ユーザー層をさらに細かくセグメント化することができます。

ターゲティング機能によってニッチで最も関連性の高いユーザー層に対して広告を表示することができるため、他のチャネルや方法では叶わなかったユーザーにリーチし、コンバージョン率を向上させることが可能となります。CTV広告のパフォーマンスは正確に計測することができる詳細な分析を用いてモニタリングし、CTV広告のROI(投資利益率)を最大化しましょう。

クロスデバイスキャンペーン

CTVデバイスは多くの場合、視聴者のモバイル端末やPCと接続されているので、クロスデバイスキャンペーンを実施することができます。「モバイル、CTV、PC、コンソールなど、あらゆるデバイスでの広告によって、デバイス同士、パフォーマンスに貢献する」というコンセプトの基、より総体的にマーケティングキャンペーンをモニタリングすることが重要です。

例えば、消費者の95%がスマートフォンを手に持ったままテレビを観ている(英語)と言われており、ユーザーはCTVデバイスでモバイルアプリの広告を目にして、その手でそのままアプリをインストールする可能性があります。例えば、Google 広告が配信するモバイル広告やデスクトップ広告を見たユーザーがアプリをダウンロードした場合、Google 広告に貢献度が割り当てられます。しかし、このアプリのインストールがCTV広告を視聴したことに起因したとすると、CTV広告がインストールを促す「アシスト力」を発揮したことになります。この場合は、CTV広告が結果的にマーケティング戦略に影響を与えたと判断し、CTV広告へも部分的に貢献度を割り振る必要があります。

アプリマーケティングではコンバージョンに貢献するあらゆるタッチポイントを把握しておく必要があります。これは「ビュースルー アトリビューション(英語)」のような計測方法を導入することでモニタリングすることができます。CTVはインプレッション数が高いチャネルであるため、キャンペーンのパフォーマンスを正確に評価するには全体像を把握することが不可欠なのです。

パート4:CTV広告と計測

OTT広告の仕組み

次に、CTV広告に参入するためには理解を深めることが欠かせない、CTV広告の購入プロセスをご紹介します。

CTV広告は、プログラマティック広告のメディアバイイングを介したオークションによって、次の3つのうちのいずれかの方法で売買されます。

  1. オープンオークション(リアルタイム入札(RTB):リアルタイムのオークションによって広告枠の価格が決定します。
  2. プライベートマーケットプレイス(PMP):招待された参加者のみ参加可能なオープンオークションです。
  3. プログラマティックダイレクト(プログラマティック直接取引):オークションを介さずに、パブリッシャーが広告枠を固定価格にて広告主に直接販売します。

CTV広告の広告枠の購入プロセスの解説に入る前に、広告主とパブリッシャーとの間でプロセスを調整する技術的な仲介者を説明します。

「サプライサイドプラットフォーム」と「デマンドサイドプラットフォーム」

CTVの広告枠購入における技術的な仲介者

デマンドサイドプラットフォーム(DSP):広告主向けのソフトウェア。メディアバイヤーを互いに競わせることで、広告主にとってよりよい取引を生み出します。

サプライサイドプラットフォーム(SSP)(英語):潜在的な複数のアドエクスチェンジやバイヤーに対してインベントリをアップロードして、購入に結び付けます。

アドエクスチェンジ(英語):SSPとDSPのマッチングが自動的に行われるデジタルマーケットプレイス。複数の広告主が同じカテゴリーに入札すると、ミリ秒単位でオークションが行われます。

CTV広告購入プロセスの6つのステップ

CTV広告の広告枠の取引は、次の6つのステップで超高速プロセスで行われます。

  1. 視聴者が観たいコンテンツを選びます。
  2. 視聴者に関する利用可能な情報が、パブリッシャーからアドエクスチェンジに送信されます。
  3. 特定のユーザーを対象にした自動入札が開始されます。
  4. SSPは「選択されたコンテンツ」、「位置情報」、「年齢」などのユーザーに関する情報を提供します。
  5. SSPから提供された情報に合致する「クリエイティブ条件」を持つDSPが、自動的に入札を行います。
  6. 入札価格が最も高いDSPが選ばれ、広告が掲載されます。

8種類のCTV広告タイプ

CTVではさまざまな広告タイプを利用できることも、マーケティングにおいて大きな魅力の一つです。よく利用されるCTV広告フォーマットを下記にご紹介します。

  1. プリロール広告(プレロール広告) :動画本編(動画コンテンツ)の再生前に流れる通常15秒〜30秒の広告。
  2. ミッドロール広告 :番組の合間やシーンの間など、動画本編(動画コンテンツ)が途切れる時に流れる広告。
  3. ポストロール広告 :動画本編(動画コンテンツ)の再生後に流れる広告。
  4. スキップ可能な広告 :数秒間再生された後に視聴者がスキップできる広告。
  5. 一時停止中の広告(静的バナー広告) :動画コンテンツを一時停止した時に表示される広告。
  6. スキップ不可の広告 :選択した動画コンテンツを視聴するには最後まで再生する必要がある広告。
  7. インタラクティブ広告 :ストーリーの選択、ミニゲームのプレイ、ショッパブルコンテンツ(英語)の操作などの、ユーザーのアクションによって内容が変化する広告。
  8. オーバーレイ広告 :「バナー広告」とも呼ばれる、動画コンテンツの再生中に画面の下部に表示される広告。テキスト、インタラクティブ要素、画像を含めることができる。

各広告フォーマットのガイドラインについては、CTV向けIABガイドライン(英語)をご参照ください。

CTV広告の例

CTV計測に使われる指標

CTV広告のパフォーマンスを計測するには次の指標を使用します。これらの指標によってインプレッションからコンバージョン率まで、CTVキャンペーンのROI(投資利益率)、ROAS(広告費用回収率)、エンゲージメント、ユーザーへのリーチ、影響、エンゲージメントを評価することができます。

CTVの指標

パート5:CTV広告を開始する

CTVで広告を展開する方法

CTVで広告を展開するには、適切なCTV計測ツールを使用し、適切なパートナーを見つけて戦略を整えることが重要です。

1. 戦略を設定する

CTVキャンペーンの目的を決定するために、次のポイントを確認します。

  • リーチしたいユーザー層
  • ユーザーに促したいアクション
  • 使用するCTV指標
  • 必要なツールとパートナー
  • CTVキャンペーンに割り当てる広告費用
  • CTVキャンペーンによる他のマーケティング活動への貢献度

これらを特定することで、連携する広告プラットフォーム、制作する広告、使用するCTV計測ツールを決定することができるようになります。

Adjustの「CTVガイド」では、業界トップのCTVリーダーたちによる最新トレンドの解説やインサイトをご紹介しています。併せてご覧ください。

2. 広告インベントリの購入方法を決定する

広告主がCTV広告のインベントリ(広告枠)を購入するには、主に3つの方法があります。購入方法は広告予算、リーチしたいユーザー層、CTVに関する知識度によって変わります。

CTV広告の購入方法: CTVのDSP、CTVプラットフォーム、OTTサービス
  1. プログラマティック広告:DSP、アドネットワーク

DSPやアドネットワークは、比較的低コストで、さまざまなプラットフォームを通して幅広いユーザーにリーチすることができます。CTVマーケティングを初めて取り入れる際は、プログラマティックプラットフォーム経由で広告枠を購入することが好まれます。

  1. プラットフォーム直接取引: CTV広告プラットフォーム、アドテック企業

「Roku」や「Apple TV」などのCTVプラットフォームから、広告枠を直接購入することができます。ただし、各々のプラットフォームや企業に、広告に関する独自のルール、料金形態、ターゲティング機能があるため、プラットフォームから直接購入する場合は難易度が少し上がります。

  1. パブリッシャー直接取引:OTT動画配信サービス

「Netflix」、「YouTube」、「Tubi」などのパブリッシャーから、広告枠を直接購入することができます。OTT動画配信サービスでは、広告の配置やチャネルをより細かく管理することができます。ただし、リーチできる範囲は限定され、パブリッシャーから広告枠を直接購入するとコストが上がる傾向があります。

おすすめ:Wurlを活用すると希望するユーザー層にリーチすることができます。

業界最大級のCTV向けグローバルマーケットプレイス「Wurl」は、「BBC」、「Bloomberg」、「A&E Networks」、「Roku」などの有名メディアと広告主を繋ぎます。Wurlなら世界の195ヶ国、3,000以上のチャネルにリーチできるため、ユーザー層を絞り込み、ブランドにエンゲージする可能性が最も高いユーザーを見つけ出すことができます。

3. CTV計測ソリューションを選ぶ

アプリマーケティングを成功させるには適切なCTV計測ソリューションを選ぶことが非常に重要です。CTVキャンペーンをモニタリングし、結果に基づいてアクションを起こすためにも、使用するCTV計測ソリューションに次の内容が提供できるかを確認しましょう。

CTV計測ソリューションを決定するためのチェックリスト:

  • モバイルアプリにおけるCTVキャンペーンの影響を計測できるか。
  • リーチ、表示頻度、エンゲージメントなど、CTV広告のパフォーマンスを包括的に把握できるか。
  • CTVキャンペーンのQRコードを作成し、計測できるか。
  • 業界の主要なパートナーと連携できるか。
  • CTVキャンペーンが他のマーケティングチャネルに与える影響を分析できるか。(これが可能なのは現在Adjustの「CTV AdVision 」のみです。)

CTVキャンペーンのROIを最大化できるCTV計測ソリューションを選びましょう。

Adjustの「CTV AdVision」を選ぶべき理由

CTV AdVision」がアプリマーケティングにおける最適なCTV計測ソリューションとして選ばれるのには、次の4つの理由があります。

  1. 業界初
    クロスデバイスマーケティングの時代へと移行する中、アプリマーケティングによって潜在的なユーザーにリーチするために、CTV、PC、コンソールなどの新しいチャネルが現在より一層取り入れられています。Adjustはこの動向を事前に予測し、2022年に初の包括的なCTV計測ソリューションである「CTV AdVision」をリリースしました。

  2. 受賞歴のあるCTVソリューション
    2022年年末、「CTV AdVision」は「2022 Cynopsis Model D Awards」にて『2022年最優秀新計測ツール賞(英語)』を受賞しました。「CTV AdVision」が提供するインサイトに基づいてクライアントは必要なアクションを起こすことができるため、利用がますます増加しています。

  3. マーケティングの全体像を提供
    「CTV AdVision」により、「CTVからモバイル」や「CTVからCTV」のインストールを計測するなど、上記チェックリストにあるさまざまな機能を使いこなすことができます。マーケティングの取り組みにおいて全体像を把握することが非常に重要である一方、「CTV AdVision」は、現在、CTVキャンペーンが他のマーケティングチャネルに与える影響を確認できる唯一のCTV計測ソリューションです。

    例えば、ユーザーがGoogle 広告経由でコンバージョンに至る前に、CTVデバイスにて「Hulu」で表示された広告を視聴していたとします。その場合、「CTV AdVision」は「Hulu」に対して「アシスト」の貢献度を割り当てるため、「Hulu」で表示された広告がコンバージョンに影響を与えたことを把握することができるのです。

「CTV AdVision」におけるCTVアシストの例
  1. 主要なパートナーとの連携

Adjustは業界の主要なパートナーと連携しているため、「YouTube」、「Google マーケティング プラットフォーム」、「Amazon Fire TV」、「Apple TV」などで実施しているCTVキャンペーンを計測することができます。MMPのCTVソリューションはパートナー数が多いほど強力になります。DSPや代理店、CTVアプリなど、クライアントが求めるトップチャネルに確実にアクセスすることができるように、パートナー各社との強固なネットワークや連携を提供しています。

クライアントが利用可能な連携パートナーの詳細については、CTVアプリCTVとモバイル間の計測の関するドキュメントを併せてご覧ください。

ジャスミン・カオ(Jasmine Cao)氏

AppLovin シニア グロース マネージャー

4. テストして成長に繋げる

CTVキャンペーンはリアルタイムデータを用いて情報に基づいた意思決定を行うことができるため、迅速に最適化することができます。最も高いパフォーマンスを生み出している広告やチャネル、キャンペーンを把握することができ、結果に応じて予算を拡大したりキャンペーンを一時停止するなどの調整を迅速に加えることができるのです。CTVキャンペーンのROIを最大化するために、次のことをテストしましょう。

さまざまなクリエイティブを試す

「FunPlus」のグロース責任者であるマルタ・マサックス(Marta Masachs)氏は「マーケターが知りたい、CTVに関する10のQ&A(英語)」にて、CTVでマーケティングにCTVを取り入れるのに、まずは他のユーザー獲得チャネルで成果があったクリエイティブを使用してみることを提案しています。また、CTV広告を15秒版と30秒版の2つを制作し、どちらがより効果的であるかテストすることを推奨しています。ユーザーは初めて目にした広告を記憶していて、後日、広告を検索することもあります。

以下は「Wordscapes」による非常に優れた30秒の動画広告です。ぜひ参考にしてください。

生成AIを活用する

生成AI(ジェネレーティブAI)は、CTVキャンペーンの制作と実施に活用することができるマーケティングツールです。このテクノロジーを活用すると、クリエイティブのレビューを自動化し、動的な広告ワークフローを作成して、テキスト入力をするだけでCTVに対応する広告を開発することができます。ライブコマース(動画コマース)企業である「Firework(英語)」は、ライブ配信の後でもリアルタイムに感じられるショッピング体験によってユーザーのエンゲージメントコンバージョン率を促進するための生成AIの開発に取り組んでおり、Mマース(モバイルコマース)アプリでは可能性が大きく広がるでしょう。

「ビュースルーアトリビューション」で可視化を向上させる

前述のとおり、CTVでのデジタルマーケティング広告は、モバイル端末で表示される広告よりも広告許容度と可視性が高いという特徴があります。インプレッション計測とも呼ばれる「ビュースルーアトリビューション」というアプローチを使用すると、CTV広告キャンペーンのより正確なパフォーマンス計測にアクセスして、他のチャネルでの上昇を特定することができます。

モバイルマーケティングにおけるメリットについては、Ebook「ビュースルーアトリビューションガイド(英語)」をご覧ください。

まとめ

ユーザー、アトリビューション、広告のトレンドは、クロスデバイスのエコシステムへと移行する中、モバイル端末のみに広告を表示するアプリマーケティングだと、ユーザーがより多くの時間を費やしているパフォーマンスチャネルであるCTVの活用を逃してしまいます。

より多くのプレイヤーが市場に参入するにつれ、ユーザーはより多くのコンテンツを視聴できることとなり、広告主はさらに多くのインベントリ(広告枠)を利用できるようになります。インベントリが拡大すると、ターゲティングの選択肢をうまく組み合わせることで、カスタマイズされたユーザー層に絞った広告を配信してニッチな視聴者にリーチできるようになるため、大きなプラスを生み出します。

Adjustは、アプリマーケティングのための包括的なCTV計測ソリューションと、業界最大のCTVパートナーシップのネットワークを備え、ROIとデータ主導のマーケティングを実現するモバイル計測を提供しています。「CTV AdVision」や、さまざまなプラットフォームやチャネルを横断してアプリを成功させるためのAdjustのサポートについては、今すぐデモにお申し込みください

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