ガイド

アプリユーザー獲得のための完全ガイド

アプリマーケティングの取り組みを始めたばかりの方や、国内外でアプリの成長を加速させたいと考えている方のために、ユーザー獲得に関する包括的なガイドをご用意しました。ユーザーを効果的に増やすための貴重なインサイトと戦略を詳しくご紹介します。

UAの定義

ユーザー獲得(UA)とは

ユーザー獲得(UA)」は、モバイルアプリの新規ユーザーを獲得するプロセスを指します。

ユーザー獲得は、アプリのインストールを増加させるためにさまざまなマーケティング戦略やチャネルを活用することを意味します。この戦略を成功させる鍵は、適切なユーザー層にリーチして質の高いインストールを促進し、キャンペーンを最適化して投資収益率(ROI)を最大化することです。

UAキャンペーンはインストールを促進するものですが、Adjustの強力なソリューションを使用して戦略的にユーザー獲得を行うことで、より高い成果を生み出すことが証明されています。Adjustのクライアントから伺ったケーススタディを、アプリのカテゴリー別にいくつかご紹介します。

  • ライフスタイル :「Gartner and Staudt」はアプリのダウンロード18,000件を記録し、予算に対する効率性が40%向上しました。ケーススタディ「Gartner and Staudt × Adjust(英語)
  • ヘルス&ウェルネス :「ALive Powered by AIA」はコンバージョン率を60%増加させました。ケーススタディ「ALive Powered by AIA × Adjust(英語)
  • ゲーム :「Widogame」はインストール数が4,900%増加し、収益が2,200%向上しました。ケーススタディ「Widowgame × Adjust
  • フィンテック :「SeABank」は100万人の新規ユーザーを獲得しました。ケーススタディ「SeABank × Adjust(英語)

ここから、アプリを成功させるためのユーザー獲得について詳しく見ていきます。

オーガニックユーザー獲得とは

オーガニックユーザー獲得とは、非有料の方法によってユーザーをアプリに集客することを指します。例えば、ブランドが発見されやすくなるようにインターネット上でのアプリの可視性を最適化したり、既存ユーザーによる肯定的なレビューを促進したり、ロイヤリティの高いコミュニティを構築することなどが挙げられます。「オーガニック戦略」は、新しいアプリやおすすめのアプリを積極的に探しているユーザーにリーチするのに役立ち、その結果、エンゲージメントの高いオーガニックユーザーが増加することによってアプリが成長します。

ペイド広告によるユーザー獲得とは

ペイド広告によるユーザー獲得とは、アプリのインストールを促進するために広告キャンペーンへ投資することを指します。「ペイド(有料)ユーザー獲得戦略」では、特定のユーザー層をターゲットにしたり、より多くのユーザー層にリーチしたり、アプリの認知度を迅速に高めるさまざまな広告チャネルを利用します。ペイド広告によるユーザー獲得をモニタリングして的確に最適化することで、投資利益率(ROI)を確実に向上させることができます。

オーガニック

オーガニックユーザー獲得戦略

オーガニックユーザーを獲得するための戦略には、ペイド広告だけに頼らず、アプリの認知度を自然に高めてユーザーを魅きつけるテクニックが含まれます。ここでは、オーガニックユーザー獲得戦略で一般的なものをご紹介します。

App Storeページを最適化する

アプリストア最適化(ASO)は、App Storeでアプリを見つけやすくするためのプロセスです。これは、アプリのタイトル、キーワード、説明、スクリーンショットなどを最適化して、検索結果の順位を向上させるアプローチを指します。関連するキーワードや魅力的なデザインを使用することで、アプリのオーガニックインストールを増やすことができます。

アプリのレビューを促進する

ASOの要素の一つとして、ユーザーレベルでは「肯定的なレビュー」に高い価値があります。高評価やレビューの数の多さは、新規ユーザーを魅きつける上で重要な役割を果たします。ユーザーがニュースレターの受信を許可している場合はフォローメールなどを配信したり、許可していない場合にはアプリ内メッセージを送信して、満足度が高いユーザーに評価を残してもらえるように促します。

このアプローチでは、星5段階による評価ができるようにして、3つ星以上を残したユーザーには関連するApp Storeのページにジャンプするようにします。一方、星1つまたは2つを残したユーザーに対しては、建設的なフィードバックや理由をもらえるようにリクエストすることで、非公開の場でユーザーの懸念事項を把握して対処することが可能となります。また、評価の内容に関わらず、公開されているレビューに対応することも重要です。ユーザーのフィードバックを尊重していることを示すことができるため、アプリの評判の向上に繋がります。

詳しくは、「レビューの書き込みをアプリの『ユーザー獲得チャネル』として活用する(英語)」をご覧ください。

質の高いコンテンツを作成する

ユーザーにとって価値があり関連性の高いコンテンツを作成することで、アプリのブランド性を構築して認知度を高め、アプリやWebサイトへのオーガニックトラフィックを促進することができます。コンテンツマーケティングにはさまざまな戦術がありますが、主なアプローチは次の3つです。

Webサイトを改善する

技術的な構造とUX(ユーザーエクスペリエンス)が最適化され、ユーザーフレンドリーで使いやすいデザインかつ情報が有益なWebサイトは、ユーザー獲得に大きな影響を与えます。リンク先のWebサイトやキャンペーンページでは、アプリ独自の機能やメリット、ユーザーの声などが目立つように工夫するとよいでしょう。行動喚起ボタンやダウンロード用のリンクを分かりやすく組み込むことで、アプリのインストールを促進することができます。キーワード調査を行って、検索されやすい言葉を用い、広告内のメッセージを最適化しましょう。

ソーシャルメディアでコミュニティを構築する

ユーザー層に適したソーシャルメディアプラットフォームを活用することで、アプリのプロモーションを行ったり、潜在的なユーザーと関わりを持つことができます。特に動画形式で、新鮮で魅力的なコンテンツを定期的に投稿しましょう。これは、コンバージョンを促進する広告以外でのブランドの個性を紹介する理想的な機会となります。例えば、Facebookグループを作成すると、アプリに関するディスカッションの場を作り出したり話題の内容に気づくことができるほか、限定コンテンツを提供したり、ユーザー同士によるコミュニティの結束力を育むことができます。

メールを戦略的に活用する

メーリングリストを作成してメール配信を活用すると、潜在的なユーザーにリーチして関係性を構築することができます。価値のあるコンテンツ、限定オファー、アプリの重要なアップデートなどに関する情報を提供し、ユーザーがニュースレターを購読し続けるように促進しましょう。データを分析し、ユーザーがコンバージョンに至るまでに平均で何通のメールを開くかを特定すると、Eメールマーケティングを最適化するのに活用することができます。

詳しくは、「モバイルアプリ向けEメールマーケティング完全ガイド(英語)」をご覧ください。

クロスプロモーションを行う(アプリが複数ある場合)

複数のアプリを開発している場合、双方のコンテンツでアプリをプロモーションすることができます。クロスプロモーションによって、それぞれのアプリが持つエンゲージメントの高いユーザー層にアプローチすることを可能にします。「バナー広告」、「インタースティシャル広告(アプリやWebサイトでページが切り替わる際に表示される広告)」、「ネイティブ広告(アプリのデザインに溶け込む広告配置)」など、さまざまな方法をクロスプロモーションに活用しましょう。

詳しくは、「iOS 14以降のクロスプロモーション:IDFVとアトリビューションデータを活用」をご覧ください。

「友達紹介キャンペーン」を促進する

「アプリ紹介プログラム」を実施して、既存ユーザーが友人や知人にアプリのダウンロードを勧めるように促すアプローチです。新規ユーザーの紹介に成功したユーザーには、アプリ内通貨や割引、限定機能などの特典を提供します。これにより、新規ユーザー獲得を促進するだけでなく、既存ユーザーのエンゲージメント継続率を向上させることができます。

ペイド広告

ペイド広告によるユーザー獲得戦略

オーガニック戦略に対し、ペイド広告によるユーザー獲得戦略では、クリック単価(CPC)やインストール単価(CPI)などのさまざまなコストモデルを活用し、より幅広いユーザー層にリーチしてインストールを促進することで、アプリの成長を加速させることができます。

人気の有料ユーザー獲得チャネル

検索広告:
検索広告を利用すると、検索エンジンの検索結果の上部または下部にアプリを表示することができるため、関連するキーワードを検索しているユーザーにリーチすることができます。このチャネルは可視性が高く、特定の目的を持つユーザーをターゲットにすることが可能です。

ソーシャルメディア広告:
Facebook、TikTok、Instagram、X(旧Twitter)などのソーシャルメディアプラットフォームは、ユーザーの興味や関心、ターゲット層、行動などに基づいてより正確なユーザー層をターゲットにすることができるため、強力な広告機能を発揮します。ユーザーのデバイスがiOSの場合には、パーソナライズされた広告をオプトイン(同意)したユーザーにのみ適用が可能です。YouTubeなどの動画配信プラットフォームは、プリロール(プレロール)広告、ミッドロール広告、ポストロール広告などの広告の配置を通じてユーザーにリーチする機会を提供します。詳しくは、「ソーシャルメディアで広告を展開する方法(英語)」をご覧ください。

ディスプレイ広告:
ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリ、その他のデジタルプラットフォームに表示される、視覚的な静的または動画クリエイティブ(広告)を指します。ディスプレイ広告のインベントリ(広告枠)には多様性があり、静的バナー広告、リッチメディア広告、インタラクティブ(双方向型)オーバーレイ広告など、さまざまな広告フォーマットを利用することができます。

インフルエンサーマーケティング
ニッチなアプリカテゴリーに関連するインフルエンサーとコラボレーションすると、アプリやブランドの信頼性を高めて熱心なユーザー層を獲得することができます。インフルエンサーによるスポンサードコンテンツの投稿や動画、レビューを通じてアプリをプロモーションしてもらうと、彼らの影響力やリーチを活用することができます。インフルエンサーマーケティングの一つとして、「アフィリエイトマーケティング」という、インストールやアクションが発生する毎にコミッション(報酬)を支払うという手法もあります。詳しくは、「モバイルアプリのためのインフルエンサーマーケティング(英語)」をご覧ください。

App Storeの広告:
App Storeの広告を利用すると、App Storeでの検索結果や関連性のあるアプリリストにてアプリをプロモーションすることができます。この広告はアプリの認知度を高めてApp Storeでのランキングを向上させ、類似アプリを検索しているユーザーを引き付けることができます。詳しくは、「Apple Search Ads(英語)」をご覧ください。

アプリが成長する可能性を最大化するためには、ペイド広告によってユーザー獲得のためのチャネルミックスを多様化することが不可欠です。複数のチャネルにまたがって取り組みを分散させることで、単一のソースへの依存を減らして露出過度や飽和のリスクを最小限に抑えることができます。各チャネルには独自のターゲティングオプション、リーチ、ユーザー行動などの選択肢を提供しており、さまざまなユーザー層のセグメントを取り入れることでアプリ認知度の拡大に繋げられます。

また、戦略を多様化させると、さまざまなチャネルを横断してパフォーマンスをテストしながら最適化することができるため、特定のアプリやターゲットとするユーザー層に対する最も効果的なチャネルを特定することが可能となります。そのため、包括的なユーザー獲得戦略を構築し、単一のチャネルへの依存を軽減させて、持続的な成長のための強固な基盤を作り出すことができるのです。

さらなる詳細は、「戦略的なチャネルの多様化(英語)」をご覧ください。

ペイド広告のための勢いを増すユーザー獲得チャネル

コネクテッドTV(CTV)などの新興のペイド広告のユーザー獲得チャネルは、動画コンテンツを視聴するユーザーに対してより大きな画面でリーチすることができます。CTV広告を利用すると、急成長を遂げているCTVやOTTプラットフォームの視聴者にアプローチすることができるため、モバイル端末を大きく超えてユーザーにリーチします。

ハイスベルト・ポルス

コネクテッドTV部門・新規チャネル部門ディレクター

リッチメディアで広告の魅力を高める

ユーザーを長期的に惹きつけたり影響を与え続けるには、リッチメディアを取り入れて広告の効果を高めることが重要です。静止画やテキストのみの広告ではなく、音声や動画などを活用したリッチメディア広告を通じて表現力を高め、インタラクティブで双方向の要素や視覚的な演出を取り入れ、没入感のあるユーザー体験を提供しましょう。

次にご紹介するのは、リッチメディア広告において2つの強力な活用方法である、Eコマースアプリの「ショッパブル広告」と、ゲームアプリの「プレイアブル広告」です。

ユーザー獲得ファネルを縮小させる

「ショッパブル広告」は、特にEコマースカテゴリーにおいて、ユーザーがアプリにエンゲージする方法を劇的に変化させます。この広告タイプを利用すると、ユーザーは広告ユニット(広告枠)内で直接商品を閲覧して購入することができるため、複数の手順を踏む必要がなくなり、ショッピング体験の利便性が向上します。

高品質のデザイン、商品情報、シームレスな決済オプションを備えたショッパブル広告なら、スムーズにコンバージョンへと繋げることができます。インタラクティブで合理化されたこのアプローチによって、ユーザーエンゲージメントが向上するだけでなく、収益も増加させられます。

詳しくは「Eコマースアプリのためのショッパブル広告(英語)」や「コネクテッドTVのためのショッパブル広告(英語)」をご覧ください。

ゲームアプリの「プレイアブル広告」

「プレイアブル広告」はゲームアプリのマーケティングにおいて、ユーザーの関心を引いてゲーム体験のお試し版を提供できる非常に効果的な戦略です。この広告タイプを活用すると、ユーザーは広告内で直接ゲームプレイを試すことができるため、インタラクティブで没入型トライアル体験を提供することができます。これにより、ゲームに興味を持つユーザーが惹きつけられ、質の高い潜在的なユーザーによるアプリのインストールの可能性を高めることができます。

詳しくは、「プレイアブル広告とは?構築から最適化までのポイントを解説」をご覧ください。

広告キャンペーンにリッチメディアの要素を取り入れることが、ゲームやEコマースの分野だけでなく、あらゆるアプリカテゴリーでUAを新たなレベルへと押し上げます。

詳しくは、「リッチメディア広告のフォーマットと活用例(英語)」をご覧ください。

リターゲティング広告の精度を発揮

リターゲティングキャンペーンは、過去に関心を示したものの、「アプリのインストール」などの期待するアクションに至らなかったユーザーにリエンゲージメントするための戦略的かつ効果的な方法です。さまざまなデジタルチャネルを横断してパーソナライズされたユーザーにとって関連性の高い広告を展開して、あらゆるタッチポイントでこのようなユーザーをターゲットにすることで、ユーザー獲得を大きく促進することができます。

詳しくは、「リターゲティングを活用したリエンゲージメントキャンペーン(英語)」をご覧ください。

計測

ユーザー獲得を計測する方法

モバイルアプリマーケティングにおいてUAの取り組みによる効果を把握することは非常に重要です。キーパフォーマンス指標をモニタリングして計測すると、キャンペーンのパフォーマンスや影響に関する貴重なインサイトが得られます。これらの指標を分析することで、データに基づいた意思決定を行って戦略を最適化し、継続的にアプリを成長させることができます。

データの取得先が重要

UAキャンペーンを最適化する際に重要となるのは、データをどこから取得するかということです。オーガニックとペイド広告のいずれもを含んださまざまなプラットフォーム間でデータを比較すると、データの乖離やエラーが発生する場合があります。また、広告プラットフォームによっては、広告主がより多くのマーケティング費用を投資したくなるように機能を必要以上によく見せる場合もあります。

モバイル計測パートナー(MMP)は、インストールに関するデータをアトリビュートし、使用するすべてのプラットフォームにおけるデータや情報を照合して1つの場所に集約します。クリーンで正確なデータを提供し、また、プラットフォームを切り替えながら分析や情報を確認したり比較する必要がないため、時間を節約することができます。最も重要な点として、MMPは特定のプラットフォームに依存しておらず、データを公正に計測します。

UA予算を最大化するために必要なアプリ分析データを提供する信頼できるMMPとともに、アプリを成功へと導きましょう。

詳しくは、「MMPを利用するメリット」をご覧ください。

重要な指標:分析すべきUAのKPI

KPI(キーパフォーマンス指標)の優先順位は、アプリのカテゴリーや目的によって異なります。分析を始めるには、まずは次のポイントを参考にしましょう。

  1. クリック率(CTR):ブランドやアプリのコンテンツは、ユーザーがアプリのことをもっと知りたくなったり、ダウンロードしたいと思わせるような内容でしょうか。CTRは、クリエイティブ(広告)、キャッチコピー、チャネル、広告フォーマットなどのパフォーマンスのレベルを示します。キャンペーンにおけるこれらの要素をテストして理解することで、広告の効率性を明確に把握することができます。

    CTRとコンバージョン率を比較すると、App Storeのアプリリストに掲載している情報に改善が必要かどうかを知ることができます。万一、多くのユーザーが広告をクリックしているにも関わらずApp Storeでコンバージョンに至っていない場合、広告費を無駄遣いしないためにも対処しなくてはなりません。

  2. コンバージョン率:キャンペーンによって何人がコンバージョンに至ったかを確認しましょう。ここでは、インストール数や、事前に定義して広告に取り入れたアプリ内イベント(「アプリ内購入」「レベル達成」など)が含まれます。コンバージョン率はUAの質を示す指標です。

  3. 顧客獲得コスト(CAC):新規ユーザーを獲得するのにどのくらいのコストがかかっているでしょうか。このデータは、ユーザーのセグメント間や広告チャネル間などを比較したり戦略を微調整するのに活用することができます。

  4. 離脱率継続率:新規ユーザーをアプリに誘導した後、どれくらいの期間アプリを継続的に利用しているでしょうか。例えば、「チャネルA」は最も多くのトラフィックをもたらしているもののユーザーはすぐに離脱しており、一方、「チャネルB」のトラフィックはやや少ないもののユーザーの継続率が高い場合、「チャネルB」の広告により多くの予算をかけた方がよい、といった選択肢が生まれます。

  5. 顧客生涯価値(LTV):ユーザーの価値の合計はどれくらいでしょうか。この指標により、どのキャンペーンやチャネルが高い価値をもたらすユーザーを引き付けているのか、またはそうでないのかを評価することができます。

詳しくは、「アプリカテゴリー別キーパフォーマンス指標」をご覧ください。

UAキャンペーンのABテスト

UAキャンペーンのパフォーマンスを計測するだけではなく、一つの変数ごとにコントロールグループを用いてABテストを行うことをお奨めします。これらは、ターゲットとするユーザー層だけでなく、価値の高いユーザーを引き付けるのに最も効果的な戦略を判断するためには、次のような点をテストするとよいでしょう。

  • 頻度:例えば、1週間あたり3インプレッションを上限とする広告のパフォーマンスと、1日あたり3インプレッションを上限とする同じ広告のパフォーマンスをテストします。
  • クリエイティブ:ターゲットとするユーザー層から、どれが最も反応がよいテーマやデザインであるかをテストします。リリースしたばかりでブランドスタイルガイドが確立されていないアプリなら、さまざまなスタイルで画像やイラスト、人物を採用して比較するテストを行います。
  • キャッチコピー:クリエイティブ(広告)自体は変更せず、タイトル、説明文、行動喚起(CTA)などを変えてみましょう。決定的なデータを得るためには、一度につきキャッチコピーは1つだけを使ってテストします。
  • フォーマット:動画広告と比較してスタティック広告(静的広告)を評価します。例えば、同じキャッチコピーと人物を起用したスタティック広告と動画広告を使ってテストを行います。
  • チャネル:同じクリエイティブを複数のチャネルでテストします。これは、例えばABテストを行った際に、あるチャネルではスタティック広告のパフォーマンスに効果があり、別のチャネルでは動画広告の方がパフォーマンスが高いという結果になった場合などに重要となります。
  • ターゲットとするユーザー層:ユーザーに関するターゲット層や興味などのさまざまな変数を比較して、どのユーザー層がどの広告に最も惹きつけられているのかを把握します。

詳しくは、「ABテスト(英語)」をご覧ください。

最適化を自動化

モバイルアプリのマーケティングにおいて、ユーザー獲得キャンペーンの効率化と効果の最大化を目指すには、自動化(オートメーション)は革新的なツールです。キャンペーンの自動化ツールを使用すると、貴重な時間とリソースを節約して広告予算を継続的に最適化することができます。

また、オートメーションを最大限に活用すると、リアルタイムでデータ分析を受け取ることができ、パフォーマンス指標に基づいて迅速な調整と最適化を行うことが可能となります。入札価格の管理や予算の割り当てから、ユーザーのターゲティングやクリエイティブの最適化まで、Adjustのキャンペーンオートメーションソリューションなら、高度なアルゴリズムと機械学習機能を提供し、キャンペーンを動的に最適化して成功へと導きます。

詳しくは、「モバイルマーケティングのための自動化(英語)」をご覧ください。

データを活用してターゲット層を微調整する

ここまでで見てきたとおり、データはマーケティング戦略を成功させるための原動力となり、ターゲットとするユーザー層を継続的に開拓することを可能にします。

広告キャンペーンのパフォーマンスデータを活用して、ユーザーのターゲット層、興味、その他のパラメーターに微調整を加えることで、エンゲージメントの高いユーザーや潜在的にLTV(顧客生涯価値)の高いユーザーにリーチすることができるようになります。データ主導のアプローチにより、ユーザー獲得キャンペーンを最適化して、エンゲージメントや継続率を向上させられるのです。Adjustの「オーディエンス機能」はキャンペーンのパフォーマンスに基づいてセグメントを提案するため、このプロセスを自動化するのに役立ちます。

ヒント

ユーザー獲得を成功させるための重要なポイント

競合他社をリードするには、UAを成功させるための効果的な方法を的確に理解しなくてはなりません。ここからは、マーケティングの取り組みを成功させるための実績のある戦略や手法、インサイトをご紹介します。

1. 事前定義されたユーザー層をターゲットにする

あらゆるユーザー層を獲得することは、次の2つの目的に限定されます。

  1. 広範囲を対象としたブランドキャンペーンを展開する。
  2. ターゲットとしたいユーザー層を特定するために、エンゲージメントを通じて関心を示した消費者に関するデータを収集する。

UAに取り組む前にターゲットとするユーザー層を定義することは、マーケティング戦略を成功させるための基盤を築く上で重要なステップです。ユーザーを共通の特性に基づいて特定のグループに分けるプロセスである「セグメンテーション」を行い、ターゲット層を分類します。これにより、よりターゲットを絞ってパーソナライズされたキャンペーンを作成して、各セグメントの共感を呼ぶ関連性の高い広告メッセージを配信することができるようになります。

次に、セグメント化したグループを「ユーザーペルソナ(ユーザー像)」を使って輪郭を与えます。ターゲットとするユーザーの特性、目標、動機、問題点を具現化した仮想的なキャラクターを作り出すのです。このように、特徴を描写してプロフィールを作成することで、ユーザーのニーズをより深く理解することができるようになり、それに応じて広告のメッセージやチャネル、戦略に調整を加えることが可能となります。

データを収集すると、アプリをインストールした日やアプリ内で行われた特定のアクションなど、一定の基準に基づいて、セグメントをさらにコホートに絞り込むことができます。コホート分析は、さまざまなユーザーグループにおいて見られるパターン、行動、傾向を特定するのに役立ちます。

詳しくは「顧客セグメンテーションのガイド(英語)」をご覧ください。

2. オンボーディングの質を上げて基礎を築く

新規ユーザーをアプリに誘導することにマーケティング予算を割り当てる上で大切なことは、離脱率を増やさないためにも「オンボーディングジャーニー」の質を上げることです。「オンボーディング」とはアプリを初めて利用するユーザーへのチュートリアルなどによる使い方や機能に関するサポートを指し、アプリ内の最初のタッチポイントとなるため、初めてのユーザーが好感を持てる体験を提供することはアプリの長期的な継続率に貢献します。

オンボーディングを最適化するには、次のとおり、いくつか重要なポイントがあります。

  1. ユーザーによる入力などの必要なアクションは最低限にとどめ、ユーザーへの負担を最小限に抑えて新規登録のプロセスを簡素化しましょう。
  2. アプリの主要な機能について、明確で簡潔なガイドをユーザーに提示しましょう。
  3. ユーザーの好みやアクションに基づいてオンボーディング体験をパーソナライズし、ユーザーにとってより関連性が高く魅力が感じられるものにしましょう。
  4. チュートリアルや双方向型による使い方のヒントを提供するなど、インタラクティブな要素を取り入れて、ユーザーにとって親しみやすく容易に理解ができる内容にしましょう。

アプリの価値がよく伝わる優れたオンボーディングプロセスによって新規ユーザーがすぐに機能を操作できるようになると、ユーザーはアプリを使い続ける意欲が高まります。ユーザーが受けるこの第一印象が、ユーザーエンゲージメントとコンバージョン率に大きな影響を与えるのです。

詳しくは、「アプリを成功させる『オンボーディングジャーニー』を作り出す方法(英語)」をご覧ください。

3. 「量」よりも「質」を重視する

獲得するユーザーの「数」よりも「質」を優先することが長期的な成功に繋がります。ユーザー数を増やすことに焦点を当てがちになりますが、より戦略的なアプローチは、アプリに関心を持ち、優れたエンゲージメントやコンバージョン、ロイヤリティを見せる可能性のある「質の高いユーザー」を獲得することです。

アプリの価値提案に合致する特定のユーザー層をターゲットにすることで、アプリの成長に確実に貢献して長期的に価値のあるユーザーを引き付けることができます。質の高いユーザーは、貴重なフィードバックを共有したり新たなユーザーへアプリを紹介するなど、ロイヤリティを維持する可能性が高く、持続的な成長を後押しします。

4. iOS、SKAN、AdAttributionKitを活用した強固な戦略

iOSデバイスにアプリを公開している場合、 AppleのAppTrackingTransparency(ATT)のフレームワークを考慮しながら、iOSユーザーに対する広告を打つ必要があります。次のポイントを基に、まずはオプトイン(同意)を促すポップアップを慎重に作成して表示させるようにしましょう。

  1. ATTポップアップの適切な内容とタイミングを見極めて決定しましょう。
  2. テキストの長さからボタンの配置まで、十分に注意を払ってATTポップアップをデザインしましょう。
  3. アプリの分野に合わせてATTオプトイン率のベンチマークをリサーチし、自社のアプリが業界における水準に沿ったオプトイン率を得られているのか、競合と比較して優位性をもたらしているのかを把握しましょう。
  4. ATTオプトイン戦略のためのABテストを行いましょう。

Appleデバイスの端末識別子である広告ID(IDFA)を共有することをオプトインしないユーザーもいます。このようなユーザーに対してアトリビューションを行うには、SKAdNetwork(SKAN)による制限やその他の機会を全体的な計測戦略に組み込む必要があります。

【最新情報】
Appleは「WWDC24」にて、「SKAdNetwork(SKAN)5に代わるAdAttributionKit(英語)こそ、プライバシーを重視したアトリビューションのフレームワークの将来を担うだろう」と発表しました。詳しくは、「AdAttributionKitとSKAdNetworkを比較」をご覧ください。

細かい粒度あるいは粗い粒度の「conversion value(英語)」を戦略的に設定して、 その値を計測したいイベントにマッピングしましょう。何から始めたらいいかお悩みの方には、 Adjustの「Conversion Hub」が役立ちます。常に更新されているため、あらゆるデータプライバシーの変更にもリアルタイムでサポートします。

5. 広告にゲーム要素を取り入れる

ゲーム以外のものにゲーム要素を取り入れること指す「ゲーミフィケーション」が、ユーザーを魅了してアプリ内でエンゲージすることを促進する強力な戦略として注目を集めています。上述したプレイアブル広告と同様に、ユーザー獲得にゲーミフィケーションを取り入れることもお奨めです。

オーガニックやペイド広告の戦略として、「チャレンジ」、「リワード」、「競争」などのゲーム的な要素を取り入れることで、ターゲットとするユーザー層を惹きつけるインタラクティブで没入型の体験を作り出すことができます。

6. 成長に合わせて地域ごとのニーズを考慮する

ユーザー獲得キャンペーンを拡大して、より多くのユーザーやグローバルレベルでリーチするようになると、「ローカリゼーション」がマーケティングの効果を最大化するために極めて重要な戦略となります。ローカリゼーションとは、ターゲット市場の文化、言語、地域の好みに合わせてアプリ、テーマやメッセージ、マーケティングの取り組みを調整することです。特定の地域に合わせてUAキャンペーンをカスタマイズすることで、効果的にユーザーとエンゲージして、信頼を築き、シームレスなユーザー体験を実現することができます。

これには、コンテンツを翻訳するだけでなく、文化的なニュアンスを考慮したりデザインを地域の好みに合わせたり、さまざまな地域向けにユーザーインターフェイスを最適化することも必要となります。UAキャンペーンにローカリゼーションを組み込むことで、各市場における固有のニーズを理解して対応している姿勢を示すことができ、世界中のユーザーとさらに強いつながりを育むことができます。

詳しくは、「アプリマーケティングのためのローカリゼーション(英語)」をご覧ください。

7. UAから継続率向上へと進化させる

アプリの成長が加速し始めたら、新規ユーザーの獲得に留まらず、既存ユーザーを育成して維持することに焦点をシフトする必要があります。競争の激しいアプリ市場で持続的に成功を収めるには、継続率は鍵となります。また、一人のユーザーを維持するのにかかるコストは、新規ユーザーを一人獲得するのに対して5分の1と言われています。

ユーザーの満足度、エンゲージメント、ロイヤリティを優先する戦略を実施すると、長期的な成長のための強力な基盤を構築することができるのです。継続率は単なる指標ではなく、マーケティングにおける重要な側面であるということを覚えておきましょう。 アプリが長期にわたって成功するように、ユーザー重視のアプローチを採用したり、ユーザー体験を継続的に最適化して、既存ユーザーと永続的な関係性を構築することに投資しましょう。

UAは、モバイルアプリを成長させる基盤となるため、成功に向けて戦略を調整することが重要です。効果的な手法を導入して、オーガニックやペイド広告の戦略やチャネルを活用することで、ターゲットとするユーザーを惹きつけてエンゲージしたり、アプリのインストールやユーザーエンゲージメントの向上に繋げることができます。

一方、UAの本当の成功はユーザーを獲得するだけではありません。継続的にキャンペーンを改善したり最適化し、データ主導のインサイトの活用して、進化するユーザーのニーズや好みに対応していかなくてはいけません。

UAは新規ユーザーを獲得したら終わりというわけではなく、既存ユーザーを育成してエンゲージする「継続率」という側面へと進化させることが非常に重要です。UA戦略から継続率戦略へとシフトし、ロイヤリティの高いユーザー層を構築することによって、持続可能な成長と長期的な成功を確実なものにすることができるのです。

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